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急いては事をし損じる

不動産競売の難しいところは、入札金の判断です。余り安くても落札できませんし、高くても採算に合いません。

普段は、多少のトラブルがあっても利益が上がるよう、慎重に査定をします。しかし、入札しても落札できない回数が続くと、焦りが出て、判断が鈍ります。今回の物件も、高値で落札してしまったひとつでした。

とある郡部の土地建物でした。説明書には、トイレはくみ取り式と記入されていました。

しかし、家の前の道路には、下水管が来ています。何とかして、下水につなげる必要があります。

現地に行ってみると、敷地内にはマンホールがあります。これを見た私は、「これは下水の配管だ」と考えました。

ここに繋げば、簡単にトイレを下水に通すことができる‥。私はそう判断して入札しました。

・・・

開札の結果、見事に私たちが落札。引き渡しを受け、早速工事業者に見てもらいました。

すると、マンホールは下水のものではなく、側溝に流れる雨水ますだと判明しました。道路の下水管には、接続されていなかったのです。

あせって高く買った上、下水工事に100万円くらいかかてつぃまいました。

売り出し価格も高く設定する羽目になり、なかなか買い手が見つかりません。

価格を何回か下げて、やっと購入者が決まりました。しかし、大変苦労した割に、利益はさっぱりでした。

・・・

景気は思わしくなく、不動産の売買も難しい時代になるのではないか、そんなことを感じてしまうこの頃です。

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