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家族に言えない大きな秘密

2月の始め、宮城野区のマンションを落札しました。3LDKのマンションで、家族の方は3人で住んでいます。決定通知書が着たので、早速立退きのお願いに行きました。御主人がちょうどいて、腰が低く感じのよい方に見えました。3月末までに出て頂くよう話をして、帰ってきました。見た目からして正直そうな方だったので、今回は大丈夫かなと考えていました。

いよいよ約束の3月末、もう準備はだいぶ出来ているだろうと、確認に行きました。しかし、外から眺めたりしてみましたが、どうも立ち退く気配がありません。おかしいと思い、本人に電話しました。すると、御主人が「大変申し訳ない、実家の父親がガンになり入院した。まちがいなく出るので、あと1カ月待って欲しい」とのこと。きっと嘘だろうなとは内心思いましたが、仕方ありません。『退去しないときは荷物を全部出されても良い』という書面を後日署名・捺印してもらい、4月末まで待つことにしました。

四月末が近づき、さすがに今度は大丈夫かなと思って、約束の退去日の7日前にマンションへ行きました。ちょうどドアが少し開いていたので、声を掛けましたところ、中から奥さんが出てきました。「御主人には言ってあるけど、4月末の引越しは間違いないですよね」と聞きました。

すると奥さんはキョトンとして、「私はそんな話聞いていません」とのこと。私もびっくりして、競売になって私が落札したことを説明しました。怒り心頭に達するとはこのことです。2ヶ月も待っていたのに...。

さっそく本人に電話し、「いったいどうなっているんですか」と強く尋ねました。本人は「今、会社にお邪魔します」とのこと。来店して言うには「いや、申し訳なかった。実は、妻にも息子にもまだ話が出来なかった」と平謝りです。「なぜ、裁判所から色々通知が行っているのに、家族の目に触れなかったのか聞いたところ、「不在通知が来ているものは郵便局に取りにいって、家族には見せなかった」とのこと。すっかり肩を落としていました。

後日、執行官と伺い、奥さんと御主人の前で1ヵ月後の退去をお願いし、5月末、やっと退去が完了しました。競売物件とはいえ、本当に疲れました。

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