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ヤクザもどきの詐欺師にたかられる

私が初めて買った競売物件は、400万円の亘理町の土地建物です。かれこれ20年前くらいになります。

今思えば、ひどい条件の物件でした。90平方メートルの2階建ての戸建てですが、道路より2m高い土地で、家に入る階段も駐車場もありません。夏草が生い茂り、隣に家もない土地でした。カーテンの隙間からのぞいたら空家のような感じだったので、特売で購入しました。

ところが、買って一週間くらいして、知らない人から電話がかかってきます。「俺は○○組××家の者だが、おたくが買った家は俺たちが寝泊りに使っている。引き渡したければ立ち退き料を払え」とのこと。「ゲー!早速ヤクザか!」

結局話し合って、30万円の立ち退き料を払うことにしました。そして受け渡しの日、「どんなおっかない人が来るんだろうか」とドキドキして行ったら、ボロの車に乗ったやせたおっさんが待っています。その男は、引渡書とカギを渡して30万円を受け取ると、さっさといなくなってしまいました。

早速中に入ると、流しも荷物も無く、なんと工事途中の物件。後で分かったのが、その男は実は詐欺師だったこと。公庫から金を借りて家を建て、工事途中で残金を持って夜逃げしたらしいのです。その後も、この男の関わる物件を2,3度見ることになりました。

その家は、雑草を抜き、流し台を付け、清掃して売りに出すと、無事売ることができました。当時は周りに家も無かったので、運良く近くの人が買ってくれて、その後に階段と駐車場の工事が行われました。

何とか無事に売り渡すことができましたが、寿命が縮まる初競売でした。

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