不動産屋社長の競売失敗談

仙台市宮城野区鶴ヶ谷の不動産屋・ミリオン商事の社長が、不動産競売失敗談を紹介します。 公式WEB(仙台の不動産 ミリオン商事)もご覧ください。

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賃貸アパートが競売に!落札者・入居者・管理会社の三つ巴

営業の覚浩です。面白い話を聞いたので、社長の代りにお話します。「面白い話」とはいっても、当事者にとってはとても災難な話です。

不動産屋Aさんは、あるアパートを管理していました。仲介も任されていて、アパート住人との契約締結も、ほとんど全て不動産屋Aさんがやっていました。

あるとき、そのアパートはいつの間にか競売にかけられていました。旧所有者Bさんは、何か借金でも焦げ付いたのでしょうか?事情はよく分かりません。もっとも、聞いて楽しいものでもありませんので、根掘り葉掘り聞きたいとも思いませんが。

ここで現れたのが新所有者Cさん。アパートを競売で落札した方です。旧所有者Bさんは不動産屋Aさんにアパート管理を委託していたことを知り、引き続き管理をお願いしたいとのこと。

断る理由も無いですので、不動産屋Aさんは引き受けました。

ところが、問題がざくざくと出てきます。

アパート住人Dさんが、都合により退去することに。住人Dさんは、部屋をとても汚く使ってしまったので、ハウスクリーニング代が高くつくことになってしまいました。通常、経年劣化を超える汚損破損は、敷金から代金を差し引きます。それでも足りなければ、住人Dさんから請求することもできます。

ところが、敷金は旧所有者Bさんが持っています。新所有者Cさんが自腹を切ってハウスクリーニングするか、住人Dさんに全額請求するしかありません。

ここで、新所有者Cさんは、「もちろん、住人Dさんに全額請求するよ。Dさんは、旧所有者Bさんに敷金の返金を自分で求めたら良いじゃん。」というのです。

ところが、住人Dさんからすれば、意味が分かりません。

旧所有者Bさんから敷金を取り返すことは、まず不可能です。資産を競売にかけられたくらいの人だから、お金を持っていません。請求しても、気前よく返してはくれないでしょう。住人Dさんからすると、払ったはずの敷金がドロンと消えたようなものです。

一応、不動産屋Aさんが住人Dさんに渡した賃貸契約書には、「もしもこのアパートが競売にかけられたら、敷金は旧所有者Cさんに自力で請求してね」と書かれています。

書かれてはいるのですが、住人Dさんは知りません。知っているわけがありません。なぜなら、仲介した不動産屋Aさんが、内容を理解していないからです。賃貸物件が競売にかけられたりするのは、本当に特殊なケースです。だから、いくら不動産屋といえど、内容をよく理解していない条項なんです。当然、住人Dさんはほとんど説明を受けていません。

困ったのは不動産屋Aさん。新所有者Cからは「リフォーム代をDさんから請求してね」と言われます。ところが、もしもDさんに代金を請求すると、きっとDさんは理不尽に思って怒るでしょう。今後のアパート管理を考えても、住民とトラブルを起こしたくありません。

ならば、アパートの管理を新所有者Cさんから引き受けなかったら良かったのでは?と思います。ところが、実はもうこの時点で不動産屋Aさんに選択肢は他に無かったのです‥。

住人Dさんにアパートの仲介をしたのは、不動産屋Aさんです。だから、仮に管理会社が変わったとしても、Dさんが敷金のことでもめたら、クレームはAさんに来ます。

A、B、C、Dさんは、4人とも災難です。特にAさんは、みんなの板ばさみ。そこで、私に相談をしてきたのです。

私たちは、もっぱらCさん(落札者)の立場です。もしも、私たちがアパートを競売で手に入れたなら、旧所有者の敷金を肩代りします。はじめからその費用を計算して入札するので、肩代りしても利益を出せるからです。

法的に言えば、そこまでしてあげる必要はないかも知れません。でも、トラブルに巻き込まれて時間や労力を無駄にするくらいなら、入札しない方がマシです。

自分も他人も不快な思いをしない様、気をつけて仕事をしたいものです。

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